
LIVE FOREVER [DVD]
ブリット・ポップ......その傾向・背景として挙げられるのが、
・大英帝国なるもの(音楽性含め)への傾倒・復古
・イギリスの階級制度(中産階級vs労働者階級)
・バンド・ブーム
・あくまでイギリス国内の「閉じた」ムーヴメント
・イギリス中が湧いた、一過性の快楽的文化
の5点くらいでしょうか、全くの私の主観ですが。
そんな喧騒のど真ん中にいた、BlurとOasis、双方のインタビューをゲットしているだけでもこのドキュメンタリーは偉いでしょう。彼らは同じ日にシングルを発売してしまったばかりに、その全て(音楽性、歌詞、階級、フロントマン)を比較しつくされたバンドたちで、今でもインタビューの内容からして遺恨が残っています。
ひたすらシニカルで、傷を少しずつ広げるように、でも自己弁護的に語るBlurのフロントマン、デーモン。対して、態度や口調は相変わらずでかいが、今の勢いの無さが災いしてかとても力無く感じるOasisのノエル。そしてただの馬鹿のリアムに、落ちぶれたとしか他に感想の無いPulpのジャーヴィス。そして、喧騒から離れたブリストルで生き残った、Massive Attackの3Dは、唯一淡々と冷静な分析を続ける。
そんなに古い時代の話ではないだけに、今の彼らの落ちぶれ度が手に取るように分かり(特にジャーヴィス)、こんなインタビュー本当は皆受けたくなかったんじゃないのかなとか考えたり......。逆に当時この流れから意識的に遠ざかり、イギリス国内に止まらず世界的な成功を収めたRadiohead、Prodigy、Massive Attackなんかの正しさが見えてきたりなんかして、なんだかなあと思いながら見てました。

マッシヴ・アタック: ビデオ・コレクション(11プロモズ) [DVD]
個人的には、ビデオクリップというのは、10年たったら色あせるのが多いとおもうのだが、「マドンナの『レイン』などは別」さすが、マッシヴアタックと言いたい。本人達が映画好きとあって、MTV向けに安易につくったりしないで、非常に手のこんでいるビデオ、が多く、初期のビデオも色あせていない。特にkarmacomaとRisingsonは必見!あと別の意味でTeardropも!!

Mezzanine
これまで通り、基本部分はHIP HOPで成り立っている。が、そのサウンドは更に重厚感を増し、よりロック色を濃くしたものとなっている。
NINE INCH NAILS等、インダストリアルに近い感触がある。
あるいは、エレクトロニカへの接近も、大いに感じられる。
つまりは、ブラックミュージックの影響下にあったこれまでのスタイルから、かなりの部分において解き放たれた音様式を指向していて、そしてそれが、素晴らしい完成度を纏わせながら、また1ステップ進歩した音楽として結実していると思うのだ。
とにかく、唯一無二の個性であると思う。
その後の活動内容から察するに、トム・ヨークもデーモン・アルバーンも、本作に大いに影響されたであろうことは、想像に難くない。
彼らのアルバムは、何れも高い完成度を誇るものばかりだが、そんな中でも本作は、それが究極の形で出ている作品だと思う。
全身総毛立つような美しい音世界から、次の瞬間、それらを隈なくレイプし尽すような凶暴な音塊まで、聴くものをそこから釘付けにして離さない、強烈な力場が漲っている。
ブリストル・サウンドを代表する名盤だ。

Blue Lines
朝日新聞のレコード評に、ピーターバラカン氏等が推薦するアルバムとして、この"Blue lines" が挙げられていたのは遠い昔。
なぜか、ピンときた私はさっそくレコード屋さんに行って取り寄せを頼んだ。
さて、マッシブアタック?ですね、マッシブというのはあるんですが、と首をかしげる店員さん。
意を決した私は、そのジャケのサンプル映像すらないこのアルバムを注文した。
当時は、第一次湾岸戦争のさなか、Attackという言葉は、戦争を喚起させる、として禁止されていたのである。
さかのぼること、1970年代の終わり。高校生の私は、The pop group というブリストル出身のバンドに熱狂していました。
マッシブアタックが、ポップグループと同じ、イギリスの港湾都市ブリストル(その昔、奴隷を陸揚げする港として栄えた。)から出たということを知ったのは、その後。
私は、その偶然に胸を焦がしたものです。
いうまでもなく、この”Blue lines"は衝撃的!
パンク、レゲエ、ファンクと聴き続けてきた私には、耳になじみ、しかも新鮮な驚きのあるヘビーローテションとなったのです。
今も良く聞く!いつまでたっても、魅力が褪せません。