暗くなるまでこの恋を [DVD]
アンジェリーナ・ジョリー、アントニオ・バンデラス主演プワゾンはこの作品のリメイクです。
ドヌーブ演じる初めて見る婚約者のあまりの魅力に完全に翻弄され、いつしか、手紙のやりとりからかけ離れた婚約者の性格や習慣、始まった結婚生活に疑いを持たず甘く幸せな日々を過ごす純真な男ルイ。
ジャン・ポール・・ベルモンド演じるルイが初めて見る婚約者を迎えに行く場面、船からそれらしき人物が降りてこないとがっかりしながら車に向かうと、目の前にシフォン素材のワンピースを着て帽子をかぶり、鳥かごをさげて現れるドヌーブの可憐さと美しさは、男性でなくとも心を奪われます。
男がある日帰ると女は消えていて、女がついぞ開けることの無かった彼女のトランクを壊し、やっと女が実の婚約者ではなかったことに気づき、混乱する男。
そして2800万フランを取り返すために女を探しにフランス本土に向かうが、、、
実は金よりも、女に逢いたかったのだ。
ストーリー展開はリメイク版がよりドラマティックですが、’69当時のフランス領の優雅な暮らしやフランス本土での街並みやファッションなどが、この男女を際立たせています。
当時26歳のドヌーブの美しさがあればこその作品。
ドヌーブの抑揚の無い早口のフランス語が心地よく、何度も何度も観てしまいます。
子供の頃、ドヌーブのポスターを部屋に貼って、どうしたらあんな完璧な顔になれるのか真剣に悩んでいたのを思い出します。
ゲンスブールを歌う女たち
百花繚乱という言葉が似合うオムニバスアルバムです。歌っているのはカトリーヌ・ドヌーブやブリジットバルドーなどの有名な女優、歌手達です。公私共にパートナーと言われたジェーン・バーキンの「無造作紳士」は少し前にドラマのテーマ曲として扱われ有名になりましたし、フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」は以前戸川純さんが斬新なアレンジでカバーしていました。フランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」についてなどは、古くからアイドルのカバー曲の定番であり、CMにも使われていて説明すら必要ないでしょう。
コケティッシュで、文字通り匂いたつような魅力のあるアルバムです。
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]
他のレビュアーが指摘する通り冒頭のタイトル部分はボケ気味です。
この作品は1992年に修復されドルビーステレオ(ドルビーA)化されました。(ネットでの情報ではドルビーSRとなっているが、ノイズリダクションの差でもしかしたらSR版も存在したかもしれませんね)
その時点のオリジナルネガ(完成品)の合成がいまひとつで修復がネガキズや破損部分のみだとすれば、これは仕方ないのかもしれません。
つまりオリジナル版完成時のオプチカル処理で撮影ネガとタイトルネガをあわせるときにこのような状態になってしまったかもしれませんし、修復時に合成部分の悪いところが際立ったかもしれません。または修復後マスターポジを作成してそこから何本か修復後のネガ(たぶんこの世代のネガを今回オリジナルネガとよんでいると思う、大元のネガなど何かあったら困るので渡さないと思う)を作成したときに起きた現象かもしれません。
タイトル後の自動車修理工場でのシーンでも二人目のお客が来たときには中央のお客と雇い主にピントがあっていますが、画面の端にいるギイには全くあっていなかたりすることから技術的な問題もしくは機材の性能に原因が有るかもしれません。
それより個人的に気になったのは本篇中ずっと続く「ちらつき(フリッカー)」で室内になるとより目立つので照明の電圧が不安定なのかと思ってしまった。
音声をPCMステレオで収録しているので容量を食うはずなのに片面1層というのもいかがなものか?
気軽に歌の部分を楽しむには(この作品は全部歌なんですが)ミュージックチャプターを別ディスクに収録するのもいいけど片面2層なら本篇ディスクと一緒にできると思う。(Blu-ray化されたらまとまるかもしれませんね)
あとオリジナル予告篇とフランス語字幕があればポイントが高かったです。
画面サイズは公式には1:1.66のヨーロピアンビスタサイズですが、今回は1:1.85のアメリカンビスタとなっています。
BOX特典のフィルムしおりがタイトル部分だったのですが、その部分は上下に黒いマスクが付いていて確かにアメリカンビスタに近いサイズでした。
上映時はどちらでも可でヨーロピアンで上映するとオプチカル処理をしたところのみ少しマスクがみえる可変フレームだったのかもしれません。(キューブリックの「博士の異常な愛情」でスタンダードと一部ヨーロピアンビスタの可変フレームというのがありました。
ダンサー・イン・ザ・ダーク 2枚組 [DVD]
私はこの映画が大好きです
ただ思ったのは
本当に見る人を選ぶ映画だと言う事
元々 ラース ホーン トリアーという人の映画は
この映画があんなに日本でブームになった程
(日本人でこの映画でビョークを知ったという人は
かなり多いのじゃないかと思います)
大衆受けをしまくる 映画を作ってはいないと思います
私も奇跡の海と ダンサーインザダーク
ドッグヴィルしか見ていないのですが
そんなに大衆受けするものでは無いです
ただ この主人公のセルマは自分の息子への愛や
自分を非難する人達へも愛があり その愛によって
逆にどんどん追い詰めれていってしまう
世の中の残虐さが 描かれていると思います
だけど 主人公は最後まで世界を愛するのを止めなかった
だから この映画は主人公がどんなに周りの人達に追い詰められても
最後がどんな悲惨で陰惨な結果であれ
希望があるのだと思う
最後に「これが最後の歌では無いわ」という言葉があるが
この結末が決して最後なわけでは無いと思う
この結末を変える事や
結末を悲しいだけで絶望だけで終わらせないのは
今映画を見ている自分達が
できる事なんじゃないかと 映画を見ながら思った
パルムドールを取ったのも
この映画がドッグヴィルの様に
本当に絶望だけが描かれていて その現実を
見せつけられるものでは無く
彼女の生きざまに希望があったからなのじゃないかと思う
絶望で終わらせない力強さが彼女の生き方にあったと思う
見ている方に だから生きなければいけない
だからやらなければいけないんだと思わせる様な
強い映画だと思います