ハゲタカ(上) (講談社文庫)
特定の主人公を置くわけではなく、アメリカのハゲタカファンドの日本人社長と、経営破綻したスーパーを再建するために友人に請われて邦銀からスピンアウトしたスーパーの社長と、これも経営に行き詰まっているホテルを建て直そうとしている女社長の三者の生き様をそれぞれ描く独特のスタイル。三者とも金融問題に直面している、そして日本に対する高い愛国心を持っているという共通点があり、同時並行でそれぞれのストーリーが進んでいく中で、相互に影響し合う。バブル前後の日本経済の状況を忠実に描写し、また、実在の企業をモデルにしているので、ノンフィクション性の高いフィクションであると言える。バブル期の金融機関の経営やコンプライアンスがどれほど緩んでいたのか、バブル後の金融機関の貸しはがし、貸し渋りでどれだけ地方の中小企業が影響を被ったのかなどといったことについて、アウトサイダーとしてはこれまで実感が湧かなかったのだが、本書を読むと、そのあたりがかなり生々しく描写されており、知的好奇心が刺激されてついつい引き込まれてしまう。かなりの長編小説であるが、中だるみもなく、興味深く読ませてもらった。
NHKドラマスペシャル 白洲次郎 DVD-BOX
放送時に見ましたが、その映像の美しさにびっくりしました!
dvdが出たらすぐに欲しいなと思いました。
特典映像も満載で、とても楽しみです。
岸部さんの近衛文麿。。。最高です。
dvdはNHKの放送よりも映像が落ちるので、残念です。ブルーレイの値段のがもう少し安ければ。。。
と切に思います。
Ravensburger ハゲタカのえじき
最も高い数字のカードを出した者が高得点カードを得る。最も低い数字のカードを出した者がマイナス点カードを得る。非常にシンプルでわかりやすいルールにただひとつ、同じ数字のカードを出した者はいなかったことにされるというこれまたシンプルなルールが加わっただけ!
ところが子供でもわかるこのシンプルなルールが加わっただけで、とてつもない読み合い、記憶力、直感、総動員の凄いゲームになりました。
各自が手札に持つのは1〜15の数字カード各1枚です。場に最高得点の10点カードが出ました。15で取りに行きますか?同じ数字がぶつかる危険大です。14,13と少しずらすぐらいならみんなも同じことを考えるかも知れません。みんなが上の方で同じ数字をぶつけ合いいなくなることを期待して10あたりを出してみましょうか?いや他者がつぶし合うことに賭けるならいっそ1とか2の弱いカードをこの機会に処分してしまった方がいいのでは?
この考えをさらに進めた戦法があります。5点,6点,7点と言った中得点カードに13〜15を当てて全力で取りに行くのです。ここを確実に取れば18点。高得点カードでみんなつぶし合ってくれると結構勝てます。ただこれも同じこと考える人がもう一人いると惨敗します。やっぱり素直に高得点カードを取りに行った方がいいのか??
ルールがとてつもなくシンプルなので、初めての人を引き込むのにうってつけのゲームです。人数が多い方が楽しいのは言うまでもありません。
シンプルな決断力と、他人が使い切った手札を全部把握する柔軟な記憶力を持った子供は強いです。汚れた大人は弱いかも。
ハゲタカ(下) (講談社文庫)
特定の主人公を置くわけではなく、アメリカのハゲタカファンドの日本人社長と、経営破綻したスーパーを再建するために友人に請われて邦銀からスピンアウトしたスーパーの社長と、これも経営に行き詰まっているホテルを建て直そうとしている女社長の三者の生き様をそれぞれ描く独特のスタイル。三者とも金融問題に直面している、そして日本に対する高い愛国心を持っているという共通点があり、同時並行でそれぞれのストーリーが進んでいく中で、相互に影響し合う。バブル前後の日本経済の状況を忠実に描写し、また、実在の企業をモデルにしているので、ノンフィクション性の高いフィクションであると言える。バブル期の金融機関の経営やコンプライアンスがどれほど緩んでいたのか、バブル後の金融機関の貸しはがし、貸し渋りでどれだけ地方の中小企業が影響を被ったのかなどといったことについて、アウトサイダーとしてはこれまで実感が湧かなかったのだが、本書を読むと、そのあたりがかなり生々しく描写されており、知的好奇心が刺激されてついつい引き込まれてしまう。かなりの長編小説であるが、中だるみもなく、興味深く読ませてもらった。
サムスン栄えて不幸になる韓国経済
昨今、ネットで調べれば本書に掲載されている「先進諸国の実質賃金変動率」や「主要国の輸出・輸入依存度」などの情報は簡単に得られるだろが、そういった情報をどう分析するかは専門家でも難しい。
著者はそれらの情報を的確に分析し、世界情勢を解説している。日本のマスコミにはそういう能力がないので、「韓国企業サムソンの躍進を手本にせよ」などと間違ったメッセージを発信していることが、本書を読んでよくわかった。
97年のアジア通貨危機とその後のIMF管理により完全に「アメリカ型資本主義」にモデルチェンジさせられてしまった韓国経済は、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透する」という「トリクルダウン理論」により、サムスンの電子会長の配当金は66億円、その反面従業員の賃金は年間3%減少していく。これが健全な資本主義で日本が見習わなければならないものとは到底思えない。
グローバルスタンダードを守ると、製品の品質はどこの国で作っても同じとなり、企業は価格で競争せざるを得ず人件費の抑制で賃金は上昇しない。結局、グローバル化は日本に利益をもたらしていないことがわかる。
「資本主義とは何なのか」「企業とは何なのか」に重点をおいた本書の理論展開の中で、「そもそも企業というのは「国民経済」に貢献し、国民の生活水準を豊にするためにこそ存在している」という著者の言葉は説得力がある。第2章の国家のキャッシュフローに関する解説は特に素晴らしい。