作曲家別演奏法 久元 祐子:著
それぞれの作曲家について、生まれ育ち等の基本的な事項から
演奏に際しての具体的な注意点にまで踏み込んで、
しかも平易な言葉で記されています。
各作曲家で実際に数曲を取り上げ譜例と共に実に詳細な解説がなされていますが、その内容は作曲家に共通していえる内容が多く
通読するとその作曲家への取り組み方がみえてきます。
また、演奏家の方がどれだけの注意をもって曲に取り組んでいるかが伺え、その姿勢そのものも大変勉強になります。
モーツァルトのピアノ音楽研究
ピアノソナタを中心にピアノ音楽を通してモーツァルトの生涯を追うのがメインになっている。
著者は以前にモーツァルトのピアノ作品において重要なのはソナタでなく変奏曲であると主張する本を書いていただけに、ここでソナタが語りの主体になっているのは皮肉な感じであるが、そのソナタの曲分析がとても面白い。
全曲について語られているわけではないが、最新の研究による作曲年代の推定を基にして、従来からあるこれらの曲への見方を変えてくれるものがあると思う。
とりわけ、これまであまり魅力を感じなかった後期のソナタの魅力には初めて目を開かされた思いである。
それに加えて楽器やハイドンとの関係、即興とカデンツァなどの記述もある。これらも演奏者としての著者の経験が生きていてなかなか興味深いものがある。
個人的には非常に得るものが多かった。
作曲家別演奏法 2 モーツァルト
モーツァルトのピアノ作品の、その作られた背景、楽曲分析、演奏のポイントがきめ細かく、そしてわかりやすく書かれた本です。モーツァルトのピアノソナタの楽譜を横に置いて照らし合わせながら読むことで、理解がいっそう深まります。モーツァルトがいっそう好きになり、モーツァルトをたくさん弾きたくなる・・・そんな本でした!