キング・ラット (BOOK PLUS)
中世のハメルンの笛吹き男の話が、ドラムンベースのビートにのって蘇る。荒唐無稽な筋書きは、それ自体で面白いが、音楽的な描写の部分はいまひとつうまくイメージできずに退屈だった。それ以外は、長編ではあるがテンポもよく、飽きさせない物語構成で、面白かったと言えるだろう。
それにしても、子どもの頃、ハメルンの笛吹き男は言い人だとばかり思っていたのに、大人のファンタジーの世界ではそうとばかりも言えないようだ。もっとも、ネズミを退治したお金を村人が払わなかったので、怒った笛吹き男は、子ども達をみんなさらっていってしまったのだから、いわば血も涙もない誘拐犯でもあるわけだ。そのあたりの残虐さがこの『キング・ラット』には描かれている。
チャイナ・ブルー
ほかの二胡奏者の曲は哀愁のある音色が多いですが(それはそれでいいのですが)、このアルバムの収録曲は、というよりこのアーティストの作品は、ふわ〜っと包まれるような優しい音色で奏でられていて、CDで聴いていると海の中に漂っているような不思議な感覚になります。ほかの楽器や奏者ではこの感じは味わえないと思います。なんとなくテレサ・テンの歌声を思い起こさせるような・・・
「ゴーイング・ホーム 」はケニー・Gバージョンも素晴らしいですが、二胡の音色も合いますね。「Dreamin’」「ボイジャーズ~イースト・ミーツ・ウエスト」も大のお気に入りです。
ベスト・オブ・スティーヴン・ビショップ
「死にたくなったら笑ってみせるさ」
というサビのフレーズが泣かせる「オン・アンド・オン」
で始まる90年前後までのベスト盤です。
「オン・アンド・オン」はアルバムと、ほんの少しだけ
ミックスが違うシングルテイクです。
映画の曲もまんべんなく収められていて、
良心的なベストです。
ビショップは、70年代のシンガーソングライター・ブームと
その後のAORの橋渡し的存在なので、
どちらのジャンルのファンにもお薦めです!!
ユーチューブにアップされているビデオで、
デビュー当時のテレビ出演が見られるものがあって、
ヒゲもじゃのビショップに女の子たちの
黄色い声援が飛ぶのが、笑えます!!
その時期だけ、のお洒落さ、センシティブさ、
ではなく今でも何も古びていないビショップの
魅力に、若いあなたも、
触れてみてください!!