間宮兄弟(通常版) [DVD]
さすがに森田芳光監督だけあって、うまいし、面白い。
未読だが、原作もよかったのだろうと推測される。
映画では、さまざまな人間模様やそれぞれの心理が、わりとストレートに表現されていて、分かりやすかった。
この監督は、ひねりをきかせたユーモアが持ち味だと思うが、作品によっては、それが嫌味に感じられることもある(あくまでも個人的にだが)。
しかし、この作品では、ひねりのきかせ具合もちょうどよい塩梅で、“心温まる人情喜劇”に仕上がっていた。
クスクス笑いやニヤニヤ笑いに満ちていながら、時に、しみじみとした感慨も味わえる。
兄弟を演じたのが佐々木蔵之介と塚地武雄(ドランクドラゴン)、というのも絶妙な配剤。
塚地武雄はこの作品の演技で幾つか賞を取ったはずだが、なるほど、と納得した。
たとえば、女の子に背後から抱きつかれて戸惑う場面など、デリケートな感情表現も正確で、俳優としての実力を感じさせた。
ほのぼのとした、可愛らしい作品。
素直にお勧めできる。
学校の怪談 7 [DVD]
ついに最終回!テレビ放送の時に見ていましたが、良かったです。こちら早いもので、今から8年ぐらい前の作品。約束、家族、友人、色々と詰まった良い作品でした。見たことがない方も、是非。サービスシーンもバッチリ!(笑)桃子さん、良いキャラクター。
間宮兄弟 スペシャル・エディション (初回限定生産) [DVD]
森田芳光の、久しぶりに好感の持てる新作は、既に評されているように、何よりもまず、彼のデビュー作の「の、ようなもの」を想起させる。80年代、自ら、流行監督宣言し、独特の人間描写と浮遊感覚、そして、クールでありながらオフ・ビートな笑いも併せもったタッチで、ポスト・モダン派の寵児と呼ばれた森田だが、当時の代表作の「家族ゲーム」や「それから」を例に挙げるまでもなく、一連の作品群の根底に研ぎ澄まされた冷たさと鋭さを感じていた者にとって、今作の持つ、意外なほどにほんわかと暖かいそのムードに驚かされる。本当に子供がそのまま擦れることなく大人になってしまったような間宮兄弟。生活サイクルといい、風采といい、一見、キモさ全開で、思いっきり引いてしまいそうなその日常ぶりだが、彼らの妙に生真面目で心優しくナイーブなキャラが、心の琴線に触れて、不思議と心地良いのだ。今の時代って、逃げ込めるスペースをどこかに持っていないとツライからね。劇中、「間宮ではなく、正に、マニア兄弟だね」と揶揄される彼らの嗜好も、例えば、フィギィアはアニメキャラではなくレア・シューズ、ゲームもパソコンではなくボード盤、他にも、紙ヒコーキ折りに温泉、スコアブックの書き込み(笑)と、デジタルではなく、とことんアナログ的な懐かしさ、彼らの本棚に並んでいる蔵書がどんな類のモノなのか何とも気になる(笑)。佐々木&塚地コンビの掛け合いと間が絶妙。塚地、そんなに卑下しなくても、もう少し、女性への接し方改めたら絶対モテるよ。さて、佐々木の“反省会しよう”との甘い囁きに誘われて、今作もまた、何度も観てしまうんだろうな。