
月と茉莉花 (リンクスロマンス)
高評価を得ているものの、ラストが賛否両論の『月と茉莉花』シリーズ。けれどBLというより歴史ファンタジーが好きで、江森備さんの作品などが好きという方は、きっと気に入ると思います。
『月と茉莉花』は、王となるべき身でありながら、盲目のため廃嫡されひっそりと生きてきた月心と、月心の国湘を滅ぼしたエンの太子大牙の心のふれあいを紡ぐ甘やかなラブ・ストーリーです。エンのモデルは、中国春秋戦国時代の南の大国「楚」。湘のモデルは特にないそうですが、私は「魯」ではないかと思いました。歴史の古さと礼節の高さを誇る中原の小国ということなので。
月心が盲目であるためか、月心視点の情景描写は、聴覚や嗅覚で知覚できるもののみが、やわらかな筆でつづられ、文章に透明感をもたらしていると思います。茉莉花、梔子、佳花などのむせかえるような香りが場面を包み込み、月心の奏でる音は、このしとやかな佳人の心をあらわす。窓辺に座り、野鳥の鳴き声を愛でる月心の姿はまるで天上人であるかのようです。ラストシーンも私は気に入っています。ぜひ一度、静謐で従順でありながら、あくまで王者の気品を失わない月心の姿にふれてみてください。

月と茉莉花~月に歩す~ (リンクスロマンス)
待ちに待った新作・最終巻です。
待ちに待ちすぎたのか、期待していたものとは少々違いました。
やはりBLらしくないことには満足なのですが、「月心」のキャラが少し違うように感じたのは私だけでしょうか・・・??
結びも、ありきたりなように感じました。
ただ、「大牙」の后問題などの結末が気になるかたは必読だと思います。

効告。 企画をヒットさせるために広告クリエイターたちが考えること
仕事において、とても参考になるよい本だった。
広告を効かせるために、どのように考え、どのようにこだわり、どのように実行するか。
そうした広告つくりの肝となる部分を、広告クリエイター本人が懇切丁寧に解説してくれている。
なかなかこういった話は聞けるものではないと思う。
講師として登場する4人に共通しているのは、差別化の意識と、ロジックで考える頭と、仕事であるという腹の決め方。
それが4人の授業にまたがり俯瞰できるので、より強く印象に残った。
広告業界で働く人、広告業界希望者はこのシリーズはすべて必読だと思う。
一冊読み終わるのに1時間くらいしかかからないと思うが、得るものは非常に大きいです。