テレビばかり見てると馬鹿になる [DVD]
アコギが鳴るオープニングから惹き込まれました。山も谷も無いストーリー、低体温な世界観、時々早送りが有るくらいでほとんど長回し(全カット数3カット!もっとカットが有ると思っていた)、登場人物4人(駅構内のエキストラは除く)。下手すれば破綻して見るに耐えない代物になってしまうのに、巧みな編集と俳優の演技力でまるで優れた舞台劇かドキュメンタリーを観ているようです。所々笑えるシーンが有るし。緑と赤が強調された色調の映像は好きになれません。ラストはどのようにでも解釈出来そうです。押し付けがましいカウンセラーは御免です。
引きこもりの主人公・荒谷有紀役の穂花は素晴らしい。引きこもりの倦怠感をあそこまで上手に表現出来る若手女優は他にいないのでは?声もよく通るし、抑揚を付けた喋り方が出来る。スウェットを着ても美人です。原作通りの眼鏡っ娘(DVDのジャケットに描かれている)じゃないのが残念。盗撮サイトで大儲けしようとする男(しかし、仕掛けられた方はカメラや男の存在を知っている)・伊藤恵二役の三浦アキフミ、怪しいカウンセラー・馬戸明役の田村泰二郎、女を利用し堕落させようとする男・山崎勝也役の大橋てつじも芸達者。
原作の山本直樹の同名漫画は読んでいませんが、これから読みたいです。
首都圏女子高制服図鑑
イラストレーターの顔ぶれからしてもう分かりやすい。これはファンロード読者(ローディスト)のためのイラスト集です。
出版社がグライドメディアに変わってタイトルも「投稿道F」に変わって、復活を来するも三号でまた休刊の憂き目にあったファンロード(FR)。再度の復活を待ち望んでいる方々はチェックしておくべきでしょう。あと、昔FR読者だった、という方々も。
ローディスト作家たちによるオリジナルイラスト集、ってのは昔ラポート時代に出ていた「コミック・イラストロジー」を思い出させますね。
コロムビア・アイドル・アーカイブス~女の子編 Vol.1
「ベルサイユのトラック姐ちゃん」(NET・東映 1976)というあまり人気のなかったドラマがあって(たったの16回くらいで終わりましたからね)、毎回の結末辺りになると山本由香利さん(出演も)の「ためらっちゃうヮ」がかかり、これが「ああ、いいドラマを観たなあ」と思わせてくれるドリーミーな名曲だったのです。
このドラマが昨年CSで再放送され、山本さんといえば「がんばれ!ロボコン」の、視聴者の子供みんなが憧れたユカリ先生。懐かしくなってアマゾンで検索したのですが、まさか「ためらっちゃうヮ」がCDになっていて今も買えるとは!!
残念なのは、EP盤は2番まで。短いんですね。3番まで作っといて欲しかったな。
他の収録曲は総じて魅力的なメロディーに乏しく、「ためらっちゃうヮ」以外は、あまりいい買い物をした気にはなれませんでした。
ラストUボート [DVD]
この作品のベースは、U234による日本人技術者のドイツ脱出の実話が基になっている。大筋では、この作品の通りである。一番詳しいのは『深海からの声』であり、それほど逸脱した内容ではない。ただし低予算の作品だったのか、潜水艦もどこかの国のお古だし(精悍なUボートを期待するとハズレます)、日本側の出演者の豪華さに比べてドイツ兵の役者は今ひとつといったところ、それに英語劇というのもどうか・・。それと盛り上がりが欲しかったのかイギリス駆逐艦との交戦シーンもあるが、かえって余計な感じがする。
しかし真実はもっと凄い。Uボートの積み荷(ウラン!)や日本人が乗船している事実までイギリスは知っていて、故に執拗に探し回っていたとか、この作品では今ひとつ冴えない感じの艦長だが、実際はイギリスの交信に適当に嘘で応え、必死でアメリカ側へ逃げ込もうとしたとか、積み荷のウランがどこかで行方不明になったとか、とてもドラマチックなエピソードがあっただけに、それが完全に映画化されてないという意味で星は及第点とします。
日本の伊8号潜水艦のドイツからの奇蹟の生還とかは、もっと映画になると思います。誰か映像化しないかな。