恋が僕等を許す範囲 (1) (Super be×boy comics)
【お互いの彼女に許されながら男同士で恋人になる】と言うストーリーです。
ワガママで俺様な山咲(イラストレーター)の切ない恋心が伝わってきます。
普段は間抜けで優しい藤尾(サラリーマン)はイザと言う時にキメてきて、だからこそ男らしいと感じたり...等々。
それぞれの彼女との今後の関係も気になります。
恋が許す範囲とは?
ではそれが愛なら?と探って探ってまさぐり合う。
無頼(前編・後編)も収録されているのですが、これも又面白い。
BLではなく、時代劇のゲームに取り残された妹を救う為ゲームの中に入り込み戦う飛燕。
それを何故かサポートしてくれる無頼。
果たして無頼の正体とは?
ギャグ満載です。
でも笑いだけではなく誰もがふと疑問に感じたり、突き詰めたりしないような事や、考えても答えがなさそうな事を題材にして、本仁氏の『コレ』って答えを見事に表してくれる。
この漫画家さんは天才ですね。
蝉声 (塔21世紀叢書)
「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」を初めて詠んだとき、眼が潤み、強い衝撃を受けました。愛する人に触れたいのに触れることできない悲しさ、つらさ、愛する人を残してあの世に逝ってしまう苦しさが身に染みました。どんなにか切なかったことか。
想像を絶するに余りあり‥という思いが致しました。
さらに残してゆく者に対する「のちの日々をながく生きてほしさびしさがさびしさを消しくるるまで」は、「私」に会えないつらい日々に耐え、いつかそのことを従容と受け入れられる日まで長く生きてほしいという心からの願いであると受け止めました。
ご自分の生きた証として短歌を40年詠んだという河野裕子さん。
その生きざまが伝わる「蝉声」に心打たれ、私も短歌の世界に触れてみたいとしみじみ思っているところです。