
コマネチ 若きアスリートへの手紙
彼女の育った世界は、日本に生まれ育ち、何不自由ない生活を送っている現代の若者からすれば、実感すらできない世界である。
本人も言っているが、共産主義国家において、自分をコントロールすることが一種の幻想に過ぎないことを理解させてくれる。
とはいってもまだ少女と呼べる時期に人生のクライマックスを迎え、当然のように金メダルを獲得した時期の見事なメンタルコントロールはすごいと思うし、団体競技への取り組みの緻密さも感嘆せざるを得ない。普通にテレビを見ているだけでは知りえないエピソードがたくさんあり、世界のトップを狙う執念も感じる。
しかし、その後の彼女の決して華やかではない苦しい生活ぶり、親兄弟とのつらい別れなどが切々と語られ、いかにして幸せを掴んだのかということがわかり、幸せになられて本当に良かったと感動した。

コマネチ若きアスリートへの手紙 新装版
友人に勧められ、手に取ってみましたが、
あまりにおもしろくて一気に読んでしまいました。
コマネチのことはオリンピックで金メダルを取ったときの
テレビの記憶しかありませんが、
コマネチがパーフェクトな演技をする裏にはあれほどのトレーニングがあり、
その後の人生であれほどの苦難があり、
亡命があり、・・・困難にみちた人生を送ったことを知りました。
またそれにもかかわらず、
希望と勇気を失わずに困難に立ち向かったことに深い感銘を受けました。
子供を○○教室に通わせる親はもちろん、
ひろく多くの大人たちが是非読んでほしいと思います。
訳文は流麗で生き生きしていて翻訳くささがありません。

白き舞
この本が書かれたのはナディアコマネチが20歳の時で、
あくまでもモスクワオリンピック後に書かれた本で、
モントリオールのパーフェクト演技、
モントリオールオリンピックの時のことを知りたい、
と思う人には物足りない1冊かもしれません。
私もその一人でした。14歳の時のパーフェクト演技に魅了され、
コマネチのファンになって体操まで始めた私。
それで白き舞を手に取ったのですが、あくまでも20歳に書かれた本でしたので
モスクワオリンピックの事中心に書かれていて少し拍子抜け。
(何歳に書かれたのか知らずに買いました)
なので14歳のコマネチのファンの人は拍子抜けするかも。
(まあここで星1つ減点。)
でもこの本を読んで、「コマネチは強制的に体操をし始めた、させられたのではない」
というのを実感しました。
ウィキペディアを読んでいると、まるで強制的にさせたれ始めたかのように書かれているし
無理矢理させられているように感じます。
でもこれを読み
「させられ始めたのではなく、有り余る体力(パワー)を解消するためにし始めたんだ」
「させられているのではなく、体操を愛し、好きでしているのだ」
というのを読んでいてよくよくわかります。
マスメディアの伝える事だけを鵜呑みにしてはいけない、というのを実感させられます。
それとあとどのようにトレーニングをしていたのかも書かれていて、
アスリートとして少し参考になる部分も。
それからなんなのでしょうか、訳者が下手だったのでしょうか、
著者が文才に未熟だったのでしょうか。
いきなり話が変わったりして少し読み手が混乱したりします。
本としては読みにくい本かもしれません。。。
(ここで1つ星減点)
あと本の中に
「色々な国々を体操を通して回ってきたが、ルーマニアという国が一番美しいと私は思う。」
と書かれており、ルーマニアと言う国のコマーシャルまでしており、
独裁政権の中、ルーマニアを愛しているのをことごとく書かれています。でも祖国亡命。
この本を読んで次の著作になる「若きアスリートへの手紙」を読むと
少し矛盾?を感じるかもしれません。
まあ全体としてパーフェクト真相と名を打っているだけの物だと思います。
コマネチの事がよーくわかります。どんな少女だったのか、とか幼少期の事も。
コマネチファンにはオススメします!