放射能で首都圏消滅―誰も知らない震災対策
「地震の後、原発で事故が起こっても、
政府や行政、電力会社から放射能に関しての正しい情報はすぐには出ない、
と考えておくのがいいでしょう。」
「原発の施設から『きのこ雲』や、もくもくとした『水蒸気』が上ったり、
『煙』が継続して出ていれば、大事故が起こっていると考えてください。
マスコミの解説では、煙が上っていても原発事故とは言わないかもしれませんが、
それを鵜呑みにしたら命が危なくなります。」
まさにこの本のとおりでした!
福島第一原発で水素爆発が起きたとき、
政府は『原発から微量の放射線が出ていますが、直ちに健康に影響を与えるレベルではありません。』と、繰り返し報道していました。
実際はチェルノブイリ並みに危険な状態だったことを、政府が発表したのは、爆発が起きてから1ヶ月後・・・・
しかも3号機の爆発は、水素爆発ではなく核爆発だったとも、海外のマスコミは報じています。
5年後、10年後になって、被曝の影響が現れはじめたとき、
政府は、水俣病やサリドマイド、薬害エイズ問題等の時のように、
国に責任はないと主張して、国民と長期間にわたって争うつもりで、このように報道規制をしたのでしょうか?
私たちが子孫のために今できること、
それは、すべての原発を放棄することです。
原発のメリットとリスクを比較してみてください。
原発のリスクは、人間として許容できる限度をはるかに超えています。
浜岡原発が爆発してから後悔しても、手遅れなのです。
私たちには、家族の命を差し出してまで、電力関係者たちに儲けさせる義理も義務もないのですから。
人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-
防災というと、水や食糧の備蓄などが思い浮かびますが、危機に直面したときの人間の心理について記述し、注意喚起した本を私は初めて読みました。特に、「危険が迫っていても集団でいると『たいした事態ではない』と錯覚してしまい、行動をおこすのが遅れがちになる。直ちに自分で判断し行動せよ。」ということは本当に重要な教訓だと思います。
また、津波の恐怖も本当にリアルに知ることができました。
この本を読んで、「既存の防災イメージにとらわれることなく、非常時の危機管理についてよく考えることが大事」と思いました。示唆に富む大事なことがたくさん書かれているので、ぜひ読むといいと思います。
原子炉時限爆弾
広瀬隆は、前作「二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)」でも、
「この本を書いた目的は原子力発電所にある」といって舌鋒鋭く、一度地震等で壊れたら止めようのない、日本という地震大国の柔らかな浜辺に立つ原発の危険性を、追求していた。
2008年度の経済産業省と資源エネルギー庁のデータでは、
●水力発電所はキャパシティーの18.9%、火力発電所は50.7%しか使われてなく、
●原発の発電量は、使われていない火力発電の半分を稼働させればまかなえる
ことが紹介されている。
そんな馬鹿なと思われるだろうか。
でも、経産省のHPを見れば嘘ではないことがわかる。
『原発の発電量は、使われていない火力発電の半分を稼働させればまかなえる!!!』のである。
電力会社(特に東京電力)と政府は、反証できるのならしなければいけない。
経産省のデータは事実ではない、というのならそれはまた別の大問題に発展するだろう。
東海沖地震が起きて浜岡「時限爆弾」が爆発すればこの国は終わりだ。
原発全面廃止への運動が必要ではないか。