旅の指さし会話帳72イラン (旅の指さし会話帳シリーズ―ここ以外のどこかへ!)
指さしシリーズは旅行の際に何度か使ってますが、どれも作者のその国への愛情が伝わってくるので好きです。このペルシャ語も、使う人が少しでも興味を持てるようにといろんなことを掲載してくれてます。
後半の第2部ではコミュニケーションのコツや簡単な文法も紹介されており、旅の合間の時間つぶしになり、また勉強になりました。
発音はカタカナ表記のため、日本語にない発音などは伝わりにくいですが、それも後半に添付されてるペルシャ語のアルファベットの発音を参考にしていけば少しずつ解消されていきました。
ペルシャ語導入編としてはおススメの1冊です。
Global Talkers 14ヶ国語音声機能付き翻訳機 GT-1400a Asian Version
言語数が多いので、英語が全く通じない場所で持っていれば安心感があると思うが、
行く前に使い方や文例をよく読んで覚えていないととっさの会話では使えない
翻訳機の機能についてもう少し詳しい説明や使用例があれば、購入時の参考になると思う。
前回、中国広東省でレストランに入ったところ、こちらの言うことを全く聞こうとしてくれなかったので、
翻訳機の必要性を感じて購入した。
今回は上海に持って行ったが、片言英語で通じたため翻訳機を使う機会はなかったが、
駅でトイレを探した時には、トイレという単語(なかなか探し出せなかった)を見つけ出し、
耳に近づけて聞いてもらった。あわてていたのでこのときは非常に助かった。
小さな困った時の会話「これを聞いてください」「トイレはどこですか」「説明がわからないので案内して
いただけませんか」「ありがとう。ほんとに助かりました」など一連の会話ができればもっと役立つ。
本体の大きさは、小さめで持ち歩きにはちょうど良い大きさであるが、塗装が弱く一度の旅行で
角のほうから剥げてきたので、丈夫な塗装にしてもらいたい。
携帯着信クラシック名曲ベスト50
聴き所のみを50曲聴かせるという面白い企画のクラシックCDです。
いずれも名演奏と呼ばれるものからピックアップしつつ、
クラシックの敷居をこれでもかっ!てくらいにポーンと取り除いちゃってます。
一番長いものでもカノンの4'47"までで、短い曲はわずか20秒程度。
それでも次から次へと馴染みのある曲が続くため聴いてて不満はありません。
バロックあり室内楽ありバレエ、オペラや合唱もあり…とバラエティ−に富みつつ
いずれも絶妙の曲順・タイミングで「聴き所」のみを聴かせていきます。
この内容で72分の限界ギリギリまで収録されているからお腹いっぱい。
BGMで流しておいたら、あまりの心地よさにマッサージ中のお客様がぐっすり熟睡してしまったことも。
こいつぁそんじょそこいらの催眠術よりも神経が休まりますよ、ほんとに。
携帯着信クラシック名曲ベスト50
ペルシア語が結んだ世界―もうひとつのユーラシア史 (スラブ・ユーラシア叢書)
本書は要するにペルシア語オリエンテッドで歴史を考えようという、業界的にはまあ常識的ではありながら、世間的には十全に受け入れられているとは言い難い視点から編まれた論集です。ペルシア語はイランの言葉だと簡単にくくられがち(いや、そもそもペルシャ語とイランが結びつかない人も結構多いかも)です。しかし実際はタジキスタンやアフガニスタンでも公用語として用いられており、歴史的にはもっと広い領域で使用されていた言語でした。いささかステレオタイプな言い回しを用いるならば、ペルシア語はイスラーム世界においてはなんと言っても文学(そして意外に外交でも)一定のプレゼンスを持ち広く用いられた「フランス語」のような立場の言葉だと言えば、あるいはお分かりいただける方もいらっしゃるでしょうか。本書ではそういう文化的・歴史的な枠組みに「ペルシア語文化圏」という名称を設定し、8名の執筆者がそれぞれの視点からこの枠組みを検討しています。
以下、本書の内容を示します:
序章 物を書くことから見たペルシア語文化圏:その面的把握をこえて (森本一夫)
第1部 文献ジャンルから見たペルシア語文化圏
第1章 ペルシア語詩人伝の系譜:韻文学の隆盛と伝播 (近藤信彰)
第2章 ペルシア語文化圏におけるスーフィー文献著述言語の変遷とその意義 (矢島洋一)
第3章 イスラーム法とペルシア語:近現代西トルキスタンの法曹界 (磯貝健一)
第2部 地域から見たペルシア語文化圏
第4章 中央アジアにおけるテュルク語文学の発展とペルシア語 (菅原睦)
第5章 18世紀クリミアのオスマン語史書『諸情報の要諦』における歴史叙述:ペルシア語文献からの影響を中心に (川口琢司)
第6章 清代の中国ムスリムにおけるペルシア語文化受容 (中西竜也)
第7章 南アジア史におけるペルシア語文化の諸相
個別の紹介はここでは長くなるので省略します。どれも面白い内容ですのでお勧めです。
手前勝手(?)な話題ながら
東トルキスタンにおいてもかつてペルシア語は文章語として使用されており、18世紀ごろまでの著作や一部の文書史料はペルシア語で書かれたものが今に伝わっています。これがテュルク語、いわゆるチャガタイ語に転換していくのがたしか18世紀中葉で、おそらくこのころからペルシア語を読めない(テュルク語しか解さない)読者層が登場してきたのであろうと言われています(濱田正美「19世紀ウイグル歴史文献序説」『東方學報』55-4, pp.359-360)。私は19世紀〜20世紀あたりの文献をよく漁っていますが、宗教文献や文学作品などは比較的近代になってもペルシア語文献は新疆ではよく読まれていた形跡がありますし、イスラーム法廷でムフティーが出すファトワー(法的意見)はおおむねペルシア語で書かれていたようです。また19世紀末にコーカンドから到来したヤークーブ・ベグ政権は西トルキスタン出身者の政権だけあってペルシア語色もなかなか強く、アブド・アッラー・パーンサドの『新史Tarikh-i sighari』はペルシア語で書かれています(厳密には著者は目が見えなかったので口述?)し、外交文書はペルシア語ではなかったでしたっけ(今やうろ覚え)。ともあれ、新疆にあってもペルシア語は結構なプレゼンスを有していたということができるでしょう。