
ドン・フェルダー自伝 天国と地獄 イーグルスという人生
全20章503ページのボリュームですが、だいたい以下の3つのパートに分けられると思います。(1)フロリダでの子供時代〜LAに出てくるまで、(2)LAでの活動〜イーグルス加入〜解散まで、(3)イーグルス再結成〜解雇〜訴訟。
最初のパートは貧乏だった少年時代、故郷の街のコミュニティの様子や家族のことが父親、兄との確執も含めて語られています。でも彼にはギター、音楽しかないという感じで、ジュニアハイスクールでのギターコンテストでの初演奏、学生バンドでスティーブン・スティルスと一緒だったこと、トム・ペティ少年にギターを教えていたこと、BBキング、グラハム・ナッシュのコンサート体験、そしてLAからやってきたバーニー・レドンとの出会い(いきなり初対面なのにバーニーが、フェルダーの帰りを待っていたっていうシチュエーションがなんか可笑しい!)など興味深い話が満載です。その後、家出?ウッドストック体験を経てフロウに加入ニューヨークへ。フロウは行き詰まり脱退しボストンで結婚。ここではピーター・グリーンと接触あり。
2ndパートは、70年代LAの音楽シーンがリアルに語られているので、一気に読めてしまいます。いろいろと見聞きしていたハリウッドバビロンというかドラッグ、アルコール、グルーピーとの乱交の様、ロックスターのワイルドライフがなかなか凄いです(キャメロン・クロウも登場、ジョー・ウォルシュのクレイジーぶりにも圧倒される!!)。非常な緊張関係の中でレコーディングしていたイーグルスの内情、曲作りのやり方などがこれまた興味深い。イーグルスをリアルタイムで聴いていた人には絶対面白いと思います(この本、価格はちと高いですがその価値はあると思う)。このメンバー間の緊張関係の中での共同作業が「呪われた夜」や「ホテルカリフォルニア」などの傑作を生み出しているように思えます。ドン・ヘンリーの(行き過ぎた?)完璧主義とビル・シムジクのコントロールぶりが、イーグルスの曲、アルバムがきっちりかっちり出来ている秘密なのかも。あらためて聴くと「ロングラン」なんてスティーリーダンみたいな完全さを感じますねえ。
3rdパートは、ひたすら哀しく今のイーグルス(ヘンリー&フライ)に幻滅します。再結成後のは、もうイーグルスじゃない。フェルダー抜きで作った新作なんて各人のソロを集めたようなアルバムだったし。でも元々ヘンリー&フライだけで作った曲ってあんまりないんですね。この二人、今ではミュージシャンというよりは、ビジネスとしてイーグルスをやっているようでおおいに失望。フェルダー氏もバーニー、ランディ・マイズナーみたいにサッサと見切りをつけて辞めてしまえば良かったのに。素晴らしいミュージシャン、ギタリストなんだから。ヘンリー&フライに対する愛憎半ばする想いも感じられて、最後の方で感情的に訴えかけるところはちょっと痛々しいくらい。父親や兄との確執が和解したのと同じような結末を求めているのだとしたら悲し過ぎる。フェルダー氏、ちょっと被害妄想ぎみで思いこみも強そうですが、きっと根は正直でナイーブな人なのだと思う。
翻訳は70年代のレコード歌詞翻訳でお馴染みの山本安見氏。たいへん読みやすいです。解説や訳者あとがきなどは無し。ソフトカバー。誤植が散見されたのはちょっと気になった。
PS:youtubeで見ることができる74年のライブ映像AlreadyGoneでのドン・フェルダーのギター、COOLで超カッコイイですね!!

For Sentimental Reasons
リンダ・ロンシュタットの、歌のうまさ、実力が味わえて、楽しめる逸品だと思います。
リンダのCDは数枚もっていますが、その中でもこのCDは、アレンジよし、演奏よし、そして何よりもリンダのしっとりとした歌唱力が光り、本当に購入してよかった一枚。
以下の曲が特に好きですが、どの曲もよいので、眠れぬ夜、休日のひとときのBGMにおすすめ。
1.When You Wish Upon A Star
5. My Funny Valentine
7. Am I Blue
8. I Love You For Sentimental Reasons
9. Straighten Up And Fly Right
10. Little Girl Blue

Hasten Down the Wind
わたくし70年代生まれで彼女の曲はリアルタイムでは聞いておらず、今もロック中心に聞いているんですが
ひょんな事から最近このアルバムに収録されているLose Again を聞く機会がありました。
リンダの歌が始まった瞬間、その情感あふれるボーカルに思わず鳥肌が立ちました。
歌を聞いて鳥肌たつほど感動したのは初めてで、おもわず最後まで聞き入ってしまいました。
同じ時代の女性ボーカルでもより聴きやすいカーペンターズやアバなんかは一応聞いとくかって感じで、
一通りは聞いていたのですが、リンダといえば私にとって、80年代にヒットした ネルソン・リドルとの
For Sentimental Reasonsなんかのイメージが強くて、「あぁ、あのスタンダードナンバー歌う退屈な歌手か」
ぐらいにしか思っていませんでした。(ファンの方すいません、でも今はFor Sentimental Reasonsも大好きです)
80年代はご存知MTV全盛のキラキラサウンドで僕もソッチの方をよく聞いてましたので、特にまだ中学生
だったということもあって退屈に感じられたのでしょう。
話は戻って、リンダ、ホントに歌が上手ですね。
こんなに張りのある歌声でドラマチックに歌いあげることの出来る女性アーティストを他に知りません。
このアルバムを今更ながら聴きこんで、カーラのことも知りまして、Restless Nightsや Karla Bonoffも
聞きました。
どなたか言ってらっしゃいましたが、リンダが大輪の薔薇ならカーラは可憐な白ゆりって感じですね。
好みは分かれるかもしれませんが、どちらも好きだなぁ。
ホントにいいアルバムに巡り会えました。

チャック・ベリー ヘイル!ヘイル!ロックンロール [DVD]
長年、コンサート部分は輸入版のビデオで楽しんでたので(というかコンサート部分しか楽しめなかった)、日本版のDVDという事でドキュメンタリー部分も楽しめたのは歓迎すべき事ですが…4枚組? リーリスする順番が逆だろうよ、何考えるんだか まったく! しかしロックンロール詩人だとか、あれだけ[知的な詩]がチャック・ベリーの魅力だという発言があるのに何故、訳詞が画面に出ないのか?台詞の訳とは別に歌詞の訳選択機能をつけて欲しかったなぁ〜 最低歌詞カードはつけるべきじゃないのか?