
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番「ラ・カンパネッラ」
聴く人の好みも有ると思いますが、個人的には良い買い物をしました。
録音によっては、前奏(?)部分が激しく切り落とされる(短縮される)非常に長い第1番もカットされていませんし、
6トラック目の「鐘のロンド」など踊りたくなるほどです。
価格も安いですし、オススメです。

アッカルド・ヴァイオリンを語る
有名な生島遼一先生訳「第二の性」の冒頭の一句。この本の第一章も「ヴァイオリニストとは、なるものだろか、それとも、そのように生まれつくものだろうか?」と題されています。ヴァイオリンとピアノは幼いうちに発見された才能と、毎日の鍛錬練習が命とも言える楽器と思います。後年になってからでも取り返しの利く管楽器と違って、早いうちから、正しい教育を受ける事が何より重要です。この本はヴァイオリンの技術、そして演奏のレパートリーやプログラムの立て方、楽器、推薦する先人の演奏などが紹介してある、コンパクトで情報の詰まった便利で楽しい本です。
翻訳の日本語も読みやすく、専門家でない私でも十分読めました。アッカルド本人が引用していた有名なダヴィド・オイストラフの言葉「技術は持たなければならないが、次には音楽だけに集中するために、それを忘れなければならない」というフレーズがこの本の要旨ではないかと思います。
ヴァイオリニストはヴァイオリニストに生まれるのではない。ヴァイオリニストに「なる」のだ。それがアッカルドの一番言いたかった事のように思えました。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ジュリーニがとうとう逝去されました。指揮活動はすでに引退されていたもの残念でなりません。このベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はアッカルドの美音が遺憾なく発揮された名演です。ちょっときつめの高音が美しい、これぞアッカルド。ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲の名演はたくさんありますが、近年の録音としてはかなりすばらしい出来ではないでしょうか。ジュリーニ追悼をこめて、是非聞いてみてください。