ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌
歌っているのは、一流のオペラや歌曲の歌い手で、いずれも端正な歌いぶりである。クラシックの好きな人向きかもしれない。
私がこの歌集を買う気になったのは、斉藤佳三の「ふるさとの」が、入っていたからである。母が、生前、この歌を台所でよく口ずさんでいたのを懐かしく思っていたが、改めて聴いてみて、胸が熱くなった。信時潔の「沙羅」が入っているのもうれしい。「海ゆかば」 (私は名曲だと思うが) のせいか、彼の歌をめったに聞く機会がないのを残念に思っている。
「カチューシャの唄」や「ゴンドラの唄」は、出だししか知らなかったが、今回、全曲を聴くことができた。何度も聴きたいとは思わないが、当時の人のものの感じ方に触れることができたような気がして、興味深かった。
7つの習慣 小学校実践記―ミッションが書けた!自分が変わった!!
かの有名な7つの習慣を小学校教育に持ち込まれたお話です。
結局、こういったことが素晴らしいと考える人は沢山います。また、同様に『くだらない。』と思う方も沢山います。特に小学生の親であれば、一様にウェルカムではなかっただろうと想像します。
でも、『日本を幸せにしたい』の志を持って、実践された。そこから影響の輪が広がりついには出版にまで至った。
子供には、勉強を教えるよりも、その前にもっともっと大事なことを教える必要があると確信しています。『積極的に人生を生きること』すなわち『自らやる気をもって物事に取り組むこと』の素晴らしさを教えることだと思います。勿論、中心になるのは、家庭、学校、地域社会になってくるのでしょう。『自分だけがいくら騒いでも他も一緒に頑張らなければ到底無理』とあきらめてしまう人が99%の中で、よくぞ実践していただいた、そして成功させてくれた。という気持ちです。
私は、自分の子供に、どんな立派な塾に行かせるよりも、この本で実践された『人間として大切なこと』をまず教えたいと思います。当然親自身も一生懸命勉強する必要があります。その共通の志の輪が広がるきっかけになる本だと思います。感激しました。
エーデルワイス&ドレミのうた
このCDはなんと言っても声に「つや」があります。どうしたらこんなにつやっぽい声が出せるのか不思議なくらいです。特に「エーデルワイス」は高音部分が効いて驚くほどの完成度です。まるで最高音響のホールで聴いているみたいに綺麗に響いています。しっとりとして「つや」のある歌声を求めるならこのCDはぜったいオススメです。
決定盤 懐かしの童謡
このCDの特徴として、“童謡”にフォーカスして、いわゆる“文部省唱歌”以外の曲が大量に聴けること、および、そうでありながら、幼児向けのアレンジではないので、大人向けの童謡CDになっていることが挙げられるのではないでしょうか。奇をてらったアレンジは少なく、とりあえず万人に納得できる出来だと思います。「おさるのかごや」・「黄金虫」・「お山の杉の子」・「かもめの水兵さん」・「うさぎとかめ」・「たきび」・「七つの子」などなど、名曲の目白押しです。
ななつのこ (創元推理文庫)
本書が最初に出版されたのは1992年だから、もう12年も昔のことになる。加納朋子もベテランに分類されるようになったわけだ。しかし、本書を読むことは、その出発点を確認する以上の意味がある。ミステリとして純粋に面白いのである。トリックそのものはレベルの低いものが多いが、むしろ、どうしようもないトリックを活かす技術に感嘆させられる。全体に大枠をつくったり、伏線を張り巡らせたり、作中作を用いたり。それによって欠点が隠され、作品としての完成度が高まっているのだ。
この手法は、その後、「連作短篇」という形式となって多くの作家の採用するところとなる。著者自身も多用していく。しかし、逆に連作ということに引きずられてしまったものすらある。そのあたり、本人も含めて『ななつのこ』に回帰して欲しい。