エリック・クラプトン / クロスロード・ライヴ1988 [DVD]
僕は気に入ってよく見ております。クラプトン御大ご本人が結構控えめなので脇役がよく見えて楽しい。大体マーク・ノップラーとの競演がこの時期に実現していたのがうれしいですね。どういう音の組み合わせになるのかなと思っていたら、ああこういう音か・・という感じです。ちょっとこの時のクラプトンのギターの音はノップラーのフィンガーピッキングの音とコラボする感じでいつもの音よりやややファズ気味に聞こえます。ドラムはAWBのドラマー、キーボードはダイア・ストレイツということで、まあマークは2人でやってきたわけですなあ。パーカッションのJODYも楽しそうで、TESSA NILESとKATIE KISSOONEも頑張ってます。ネイサン・イーストは相変わらずお上手です。今やったらノップラーがもっと自身をもってプレイするからもっと面白そう。この時はまだやや遠慮気味です。
Neck & Neck
ジャケットのマーク・ノップラーの幸福そうな表情が本作の全てを語っています、マークは80年代に世界的に大人気だったイギリスのロック・バンド「ダイア・ストレイツ」のリーダーでギタリスト・ボーカリスト、Dire Straitsはなかなかドラマティックな曲作りと歌詞の面白さが人気で、ピックを使わずにエレキ・ギターを弾く独特の音色がバンドの金看板でした、バンド解散後はソロ活動と映画音楽を主に活動領域にしています、
本作はそんなマークが子供の時から尊敬する偉大なギタリストとの共演を実現させたアルバム、先述したようにジャケットの二人の写真がアルバムの全てを表現しています、どれほどの幸福感であるかはぜひ聞いてみてください、マークがピックを使っているかどうかも要注意です、衰えない活動を続けたチェットにとっても晩年の代表作です、
Dire Straits
この作品の良さは他の方が書かれていますのであえて書きません。ノップラーの寝る間も惜しんで練習したギターにそそぐ情熱や、しっかりとした夢があったからこそ出来上がった作品でしょう。Dire Straitsのアルバム(ライブ盤を除く)の中では”Making Movies”もいいですが、ハードロック、パンク等のあの時代にあえてこの音で勝負したこちらが一番ではないでしょうか。今はソロで活躍しているノップラー、ぜひライブで”Sultans of Swing”や”Setting Me Up ”のフィンガー・ピッキングを観て聴いてみたいものです。日本ではほとんど忘れられているDire Straitsとノップラー、もう一度思い出してもらえないものでしょうか。
グッド・ロッキン・トゥナイト~サン・レコードの栄光 [DVD]
マイナーレーベルの歴史をドキュメント化したDVDとして、企画ものとしてはありかと思います。
ただ、歴史をアーティストで辿るべくもう少し過去の所属アーティスト演奏シーンがあっても良かったと思います。
内容の大部分は、老人になったSUNレコードの創始者Sam Phillipsと創業時の仲間たちとの昔話を収録した内容で、これで2時間はちょっときついかな。
一応、見所としてPaul McCartney,Ben Folds, Mark Knopler,Robert Plant,Kid Rock,Matchbox 20らによるSUN代表曲のライブがありますので、これは貴重な映像と思います。
15年ほど前に実際にSUN Stuidoを訪ねたことがあり、今回の映像(ただし10年前の映像ですが)でも当時と変わっていないことが見れて個人的には満足ですね。
ジャスト・アクロス・ザ・リヴァー
アメリカン・ポップス界の大作曲家ジミー・ウェブの新作は、これまたコラボによるセルフ・カバー集。でも、単純に売らんかなという「コラボもの」とは異なり、とっても味わい深い作品に仕上がっています。
ジミー・ウェブをひとことで表現すると、「土の香りのするバート・バカラック」。洗練さと共に、アメリカの大地にどっしり腰を据えたような豊潤さとでも言いましょうか。たまらなく個性的で、すばらしいです・・・。
今回の新作は、98年に発表して大評判を博したセルフ・カバー集「テン・イージー・ピーシズ」に近いコンセプト。ピアノや生ギターなど、バックの演奏は極力ミニマムにおさえて、「恋はフェニックス」や「ウィチタ・ラインマン」といった黄金の名曲をジミー・ウェブのボーカルでしっかり聞かせます。大きな違いは、今回多数のゲストを招いたこと。ビリー・ジョエル、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタット、マイケル・マクドナルドなどなど。まさにキラ星です。
ただ、あくまで主役はジミー・ウェブ本人。無骨でちっともうまくないけれど、誠実で大きな人柄が伝わってくるような、味わい深いヴォーカルを聞かせます。ゴーマンと言えるほど、ゲストを押しのけてウェブ本人が出張ります。マイケル・マクドナルドなんて、バック・コーラスをさらっとかぶせるだけ。とっても贅沢とも言えます。
筆者としては、なんど聞いてもジ〜ンと来ちゃう「テン・イージー・ピーシズ」の方が好みですけれど、ジミー・ウェブへの入り口としては、まちがいなくこれもおすすめです。星四つ!