
変ゼミ 2(Blu-ray)
OVAや1巻はエログロナンセンス直球みたいな話が多かったのですが、2巻になるとエロス・道徳/倫理からの逸脱という考察対象をもっと形而上学的に追究していっちゃいます。
即物的な応答・リアクションを求めるユーザーには少し難解かもしれませんが、もっと内面的なものから浸食されていき精神的にスポイルされていく愉しみというのは「変ゼミ」が他の作品を一線を画す部分ですよね。
ヤンキー娘の加藤あんなちゃんが、それはもう可愛いのですが、彼女の意外な一面というのは見てのお楽しみ。
ドロドロ濃厚なエピソードを4本連続して視聴したあとは、ダメな大人になってしまったなーと思いますよ。

変ゼミ 1(Blu-ray)
大学生の少女が「変態生理ゼミナール」、
通称「変ゼミ」に入ったことをきっかけに
メンバーや教授たちの変態的な言動に関わっていく話。
1話15分で短いエピソードばかりだが、
下ネタのオンパレードでかなり過激。
単にエロティックというだけでなく、行き過ぎて
グロテスクなだけの表現も多々あるため、相当に人を選ぶ作品。

マフィアとルアー (星海社文庫)
以前から内容の(良い)評判を聞いていたので、文庫化の機会に初購入。読むのも初めて。
表紙の女の子もかわいかったし。
読んでみての感想。
僕が強調したいのは、読後感もさることながら、読中の感想です。
すべてのコマで、登場人物の表情描写が絶妙なのだ。
表情と吹き出しのコマ、表情だけのコマ、表情を映さないコマ、
それらすべてが登場人物の感情を表し/表さず、またその表象と吹き出しとの関係が「今を生きた人間の断片」を浮き上がらせる。
それは、当年とって19の僕には、何より救いでした。
青春の澱、とは著者の談ですが、この酷く模糊とした表現が、本書にも、そして現在の僕の状況にも、ぴったりと嵌る感覚。
本書のどの主人公も、直向きでないにせよ前向きで、前向きでないにせよ直向きで、
そんな人間が、確かに生きていたという事実。(TAGRO的な意味も含め)
恐らくこれが肯定の物語となって、僕を救われたような心持ちにさせたのだろうと思います。
このページを見ている、このレビューを見ている方は、何かしら本書に引っ掛かるところがあって、そうしていることと思います。
特に、同世代の人。(これをどう取るかはお任せします)
本書は、間違いなくその引っ掛かりの一端を解消するでしょう。
装丁について。
文庫本なので、片手に収まります。
そしてこの密度。物凄く心地良いアイテム感です。
ただ一点、本体とカバーが擦れてキュッキュいいます。若干の生理的嫌悪を感じました。
僕はカバーを外して読みました。
結果、読みながらカバーの女の子も見れて、皮脂からも守れて、一石三鳥!
でも次からは改善してくれると助かります。ここで言うことでもないけど。
そんなこんなで、宝物になるべき一冊です。

変ゼミ(4) (モーニングKC)
この四巻では、これまであまり掘り下げられる事のなかった、
というか作中の流れから殆ど注目されなかった
キャラの人間チックな部分が顕わになります。
1〜3巻は所謂ぶっ飛んだ性癖をあられもなくストレートに
描写していたため、変態的な要素が主軸に描かれていたと思います。
つまりキャラクターはテラーでしかなかったのです。
しかしこの巻から徐々にキャラクターの日常から過去や人間関係が
明らかと成り、一話一話がストーリー性を帯びてきます。
といってもやっぱり変ゼミ。
随所に思わず「うっ…これはちょっと…」となるような、
もしくは「ギクッ!!これ、私も考えた事あるわ…」というような
冷や冷やもののネタが満載となっています。
あと個人的に、アンナがこれからどういう位置づけになるのかが気になります。
男を眼で虐げるドSキャラはこれまで色んな漫画で散々見てきたので
欲を言えば、ここぞという場面で主人公の松隆以上に
とんでもない被害を被るトホホ系キャラで突き進んでほしぃと思いました。

パンティ&ストッキング with Garterbelt (角川コミックス・エース 334-1)
まずアニメ版パンストを既読している方は期待されているでしょうが、本作品は残念ですが変身(?)中の8頭身シーンはありません。
終始、2頭身のカートゥーン状態で話が進められます。
しかし残念だったのはその点くらいで、白黒の漫画になっても良い加減にアメコミカートゥーン風に色(トーン)が付いており、線もきれいで丁寧だし、文字が多いのですがそれが気にならないくらい見やすい、ハイクオリティな絵です。
話も、アニメ版に負けず劣らず下品で勢いがあってすばらしい。
ただこちらは、作者が巻末で語っているとおり、海外エンタメのオマージュなどはなく、とことん下品な話で圧していく感じなので、海外エンタメ系のネタを期待されている方はまだ買わないでおくのも手だと思います。
海外オマージュと8頭身変身シーンが無くなって下品さがプラスされたパンティ&ストッキングだと思えばいいと思います。
絵の雰囲気や勢いはすごく良いと思うので、パンストのコミカライズ本としては、◎です。