
文明開華 葵座異聞録
とりあえずいいところ…声優さんが豪華。サクサク動く。それなりに雰囲気は好き。立ち絵の遠近法を使った動きはよかった。
他にもあると思うんですが、がっかり感ですべてが吹き飛びました。
もうね、シナリオが子供だましなんですよ。乙女ゲー愛好者の理解力をナメてんのか、ってくらい。
タイムスリップしました、ろくにキャラ説明もないまま、いきなり個人攻略って…。
事前に雑誌の付録のCDを聞いていたので、それに出ていた3人の性格はそれなりに把握してましたけど、予備知識のない人には、わけわかんないんじゃないかと思います。
主人公の葛藤も、正直全然見えないんですよ。
さらっと文章で説明されても、プレイヤーは置いてけぼり。
そこは、タイムスリップした後でしっかり書いて、その主人公への態度で、各キャラの性格説明とかをするのが普通じゃないかと思うんですが…。
本来なら一途で一生懸命なんだろうけど、いきなり流れをぶった切るダジャレ(選択肢にする必要ある?)とか、いきなりアダ名つけるしタメ口だし、順応早すぎてポカーンです。
命のやりとりしてる緊迫感が全然ないから、主人公がKYに見えてしまう。
何がしたいのか、意図がまったく見えない。
ストーリーも、大筋は同じなんだけど、キャラごとに「えー」ってくらい端折られる箇所があったりして、とにかくプレイヤー置いてけぼり。
いつ好きになったのかすらわからないことも多々。
カタルシスが見当たらないラストバトル。
私はあまり主人公を分身としてプレイするタイプではないですが、それでも、どのゲームにも、印象に残るセリフ・シーンはあります。
でも、今回ないんです。
状況を理解(共感)できてないので、本当にセリフが薄い。
声優さんたちがとてもよい演技をされていても、心に響かないで終わってしまう。
ああ勿体ない。
端役にも有名声優さんを使ってらっしゃいますが、それに予算とられちゃったの? ってくらいに、シナリオが残念すぎて、スチルを見て感動が倍増することもないです。
さらちよみさん目当てでもあったのに。
「シナリオがいい」とさんざ宣伝していたので期待大だったのですが、その分、失望も大です。
ものすごーく好意的に見て、戦隊モノっぽいノリをやりたかったかなと思うんです。
1話も大体30分くらいだし、ほぼ毎回、変身シーン入るし。家紋、カモン! だし。
スケさんカクさん従えて、水戸葵(黄門)の世直し旅。うっかりハチベエに女忍者に弥七、パーティメンバーも揃ってる。
でも、それをやるには最初から攻略対象を決めるスタイルはそぐわないと思うんです。
ルートによっては、他のメンバーの変身シーンがまったく見られなかったりするから。
たとえば戦闘ごとにパートナーを選べる、簡単なボタン操作でいいから、自分も戦闘に参加してる感じを出すとか。
それによってキャラの好感度が上下するとか。
劇団の魅力もあまり出てなかった気がします。
純粋に巡業したのって、結局、銀座と横浜だけだし(後は里帰りのついで)
演目もちょろっとだけだし。
いくつか興行先候補から選べて配役や演目も選べる、それによってパラメータ操作できたり、
もっとプレイヤーが「遊ぶ」「一体になる」という側面があれば、「このノリ馬鹿だよねー、でも何か楽しいよねー」と思ったかも知れない。
まあ、自分の妄想はこれくらいにしておきます(笑)
あ、あと、雑誌とかで大々的に特集組まれてるからって秀作ではない、ということを、これからは肝に銘じておこうと思います。

フロムアイズ 3枚組デラックス・エディション [DVD]
アイズはもともと二人のIでした、伊織と一貴。両方も片恋でした、だが、両方も言い出しませんでした。初恋はレモンの感じ、酸っぱいの中あっさり甘い。時に泣いたり、笑ったり、でも最後にハッピーエンド。桂正和の話題作、この『フロムアイズ』は切ない初恋の感じを一貴の視点でよく描きました。今回ついにDVD化、こういう純真な作品は稀です。コレクションに最高です。

ゲートキーパーズ Vol.8 [VHS]
WOWOWにて放映されたTVアニメ「ゲートキーパーズ」の最終巻です。
この作品は世界観が1969年高度経済成長期という設定なのでストーリー的にはあの時代に多かったと思われる地球侵略を狙う悪のインベーダーから地球を救え!!みたいで熱血もののノリだったんですがこの最終巻はだんだん主旨が変わってきているような感じでした。なんか敵ももとはいいやつだったんだけども事情があってこんなになってしまったんだなと思ってしまうとなんか敵に同情しちゃって今までの「そこだー!殺っちまえー!!」的なノリが少し少なくなってちょっとガッカリしましたけどもなんだかんだラストはけっこう感動してしまいました。やはりあのどんでん返しみたいのがあったからこそ、この作品はおもしろいのかもしれないと後で分かりました。なので、星4つです。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 6 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
絶賛は多くの人がしてくれると思うのでここでは批判を。
第一にこの作品の明白な問題点として挙げられるのは、めんまの立ち位置の不透明さ(つまり説明不足)でしょう。
そもそもめんまは何故成仏できずにじんたんのもとに現れたのか?
その理由は最終話で、「じんたんの母親との約束」という形で説明されていますが、どうもそれだけでは納得できません。
なぜめんまは、死後何年も経った今になってあの世から戻ってきたのか?
また、約束を果たすためじんたんのもとに戻ってきたのなら、それをめんま自身がなぜ自覚していなかったのか?
などといった疑問が残ります。
そもそも普通、成仏できない状態って、この世に対して何か強い心残りを抱いているはずだと思うんです。
しかしめんまからは、そういった執着心のようなものを感じ取ることはほとんどありませんでした。
なにか心に抱えている様子もなく、普通にいい娘でした。
しかしそれが、逆にめんまというキャラをよく分らなくしている原因だと思うのです。
それともうひとつ、個人的に物足りなく感じたところがあります。
それは、超平和バスターズのメンバーが「めんまの死」という共通するトラウマを抱えているため、彼らのつながりがどうも「めんま」という媒体を通してしか成り立っていないように見えるという点です。
彼らが皆で協力する時も「めんまのため」、逆に対立する時もめんま絡みの嫉妬・・・
彼らから心揺さぶる友情のようなものはあまり感じられなかったです。(キャラクター各々には魅力を感じるのですが)
そもそも友情の美しさって、立場の違う人間が、お互いの状況を思いやって心を通じ合わせるところにあるんじゃないのかって思うんです。
同じ立場にいる者たちの心の交流って、結局、閉じた世界での同情や共感に帰結してしまいがちになるんじゃないでしょうか。
これでは人間ドラマとして薄味になると思います。
このような点が、この作品に対してどうも私が物足りなく感じてしまった最大の原因ではないかと思うんです。