
けものがれ、俺らの猿と [DVD]
これは…!鳥肌実の怪演に心底感動してしまいました。
危険すぎますね、鳥肌さんは。もはや素なのか演技なのかすら理解できませんでしたが、とにかく怪しい魅力でいっぱいでしたよ。
鳥肌実のファンの方はもちろん、そうじゃない方もこの映画の鳥肌さんの怪演は見ておくべきです。鳥肌さんの存在感は、映画全体のストーリーすら超越していましたよ。
地味に出演していたkJもよかったですね。かっこよかった。

けものがれ、俺らの猿と [VHS]
言わずもがな、町田康の小説が映画化されたもののヴィデオ版。小説はストーリー性がなくて、ギャグがふんだんに取り入れられてて笑えるんですが、やはり映像化には無理があったのでわ?暇つぶしには良いのかもしれませんが、ストーリーを楽しみたい人とかいう人には取り敢えずお勧めは出来ません。でも、ムッシュかまやつとか鳥肌実とか、個性的な俳優さんが出てるというのはすっごく良いです。そういうわけで、かろうじて三ツ星☆

猫にかまけて (講談社文庫)
町田康の猫との日常を綴ったエッセイ。猫雑誌に連載されていた。写真もすべて著者と奥様の敦子さんによるもの。
町田氏の無類の猫好きは誰もが知るところですが、この本はそんな猫たちに対する氏のあたたかいまなざしを垣間見ることができます。以前他のエッセイで、「拙宅の猫たちのことを一匹、二匹と言うことができない。一人、二人と言いたい」というようなくだりがあったと記憶していますが、子どもを持たない夫妻にとって、まさにこの猫たちはすべて自分の子どものような存在なのでしょう。
猫好きの方、病気で猫を亡くした経験がある方なら、無条件に感情移入し、目頭が熱くなってしまうと思います。
破天荒で奇想天外な町田小説ファンの中には、ぬるすぎると言って敬遠する方もいるかもしれませんが、小説では味わえない生身の町田氏がここには確かにいます。なんだか微笑ましい。

源氏物語九つの変奏 (新潮文庫)
過去の名作を独自にアレンジし、新たな作品として作り直す創作活動は、音楽や絵画の世界ではよく行われている。そうしたカヴァー作品は、オリジナルを踏襲しつつも斬新な改変を試みることによって原作の魅力をより豊かなものにしていく。
その意味では本書は、源氏物語に材をとった当代のカヴァー集といえる内容で、『源氏物語 九つの変奏』というタイトルはぴったりだと思います。
現代の九人の作家たちが、大先輩にあたる紫式部の「源氏物語」の各章を訳していくのですが、原作との「距離感」は作家によってまちまちで、内容を忠実に追った現代語訳もあれば、設定に手を加えた翻案作品もあり、中には、金原ひとみさんの「葵」のように、登場人物のほかは大胆に改作したものもある。アプローチの仕方は違えど、作家たちはおのおののスタイルを打ち出しながら、人物たちの心の機微を描き出していく。
いずれの作品にも原作への敬意が感じられるし、それぞれちがった趣が楽しめ、アンソロジーならではの読みごたえがあります。また、各作品の冒頭に〈原典のあらすじ〉が短く載っているので、「源氏物語」を読んだことがない人(私もその一人)も、作品の中に入っていきやすくなっています。
オビには〈人気作家九人が織り成すまったく新しい「源氏物語」〉とありましたが、本書をきっかけに原作へいざなわれていく人もいるでしょうし、原作を知ったうえで本書を読む楽しさもあると思います
「帚木」松浦理英子/「夕顔」江國香織/「若紫」角田光代/「末摘花」町田康/「葵」金原ひとみ/「須磨」島田雅彦/「蛍」日和聡子/「柏木」桐野夏生/「浮舟」小池昌代

メシ喰うな
東京NEWWAVE第二世代のパンクであるが、恐らく町田町蔵(町田康)はパンクだ、
なんだのは気にしてはいまい。
メンバーの交代が激しかったINUであり。このアルバムのメンバー構成も一時のもので
しかない。
このアルバムの余勢をかって映画『爆裂都市』にも出演。当時はインディーズ等と洒落た
名前ではなく『自主制作』リリースのカテゴリに属していた彼ら。
このINUに関してもピストルズの1stのように、まともなリリースは一枚っきりで終わってしまった。
町田は、名前が変わってもなんらその後の文筆活動と根が変わっていないのは歌詞を
追えばわかること。
遠藤みちろう=スターリンとの『メシ食わせろ』『メシ食うな』の関係や、
当時のアンダーグラウンドシーン怒濤と狂気のノズルアルバム。
濃くて初めはお口に合わないかもしれませんが、気付けば歌詞の一端一端が頭からこびり付い
て離れないでしょう。
FRICTIONの1stとこのアルバムは例えスターリンを買わなくとも揃えたい。
『写真屋のおっさんの石で刻み込まれたようなシワ、俺はあなたを愛おしいクソまみれにして
くれ』〜つるつるの壺〜